Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「ふむ。つまりお嬢様を骨抜きにした涼介君を傀儡にしたあと

で梅宮を乗っ取り、現状行われている獣人に対しての差別を

強化にするということですか」


 ずばり言ってのける碧に対し、雅秋は答えない。

そうはいかないと、涼介は雅秋を睨みつけた。


「悪いけど、俺もみのりさんも雅秋兄の策に乗るつもりはないよ。

俺たちは俺たちだ。どこの家だろうが誰の指図も受けない」


 きっぱり宣言してやると、雅秋が視線を上向ける。


「……そのほうがみんな苦しまないですむと思うのだがなあ」


 わざとらしくぼやく雅秋に対し、高松が苦笑した。

「お前が老婆心から言っているのだというのは理解している。


だが、2人の気持ちを無視して利用しようなんていうのは

間違っていると俺も思うよ」


 眼鏡を人差し指であげて雅秋を見やる高松に、

雅秋が首を横に振る。


「俺はそうは思わないがね」

「困ったもんだよ、君ってやつは」

「ふん……」


 微苦笑で肩を竦める高松に対し、雅秋が横を向いた。


「雅秋兄……」

「頑固者」


 紅とともに呟く。

山波といい、雅秋といい、どうしてこんなにも頑ななのだろう。

溜め息を吐いていると、碧が紅へ人差し指を立ててみせた。










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