Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





HIF




「長というものはそういうものなのかもしれませんよ、紅。

お嬢様を見たらよくわかるでしょう」


 碧が笑いをこらえるような口調で揶揄してくる。みのりは、主人を

主人とも思わない側近の言い方に席を立った。


「ちょっと碧! あんたさっきからどっちの味方なのよ!」


 腹立たしい気持ちをそのままぶつけ、碧を睨みつける。


(だいたい碧は市長と戦っていたはずでしょう!

なんで私に矛先が向くのよ!)


 みのりが肩で息をしていると、お茶を淹れに行っていた雅仲が

戻ってきた。


「ええっと、とりあえずお2人とも、お茶です」

「うむ」


 市長と高松の前にカップが静かに置かれる。


「ああ。ありがとう。すまないね」


 早速お茶を口にする市長の横で、高松が礼を言う。

みのりはその声に少しだけ冷静さを取り戻した。


(やだ。私ったら他の人がいるのに勢いで立ち上がっちゃった……)


 いくら碧にむかついたとはいえ、これでは子供の癇癪と同じだ。

みのりは恥ずかしさから顔を熱くした。










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