Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
HIF
「長というものはそういうものなのかもしれませんよ、紅。
お嬢様を見たらよくわかるでしょう」
碧が笑いをこらえるような口調で揶揄してくる。みのりは、主人を
主人とも思わない側近の言い方に席を立った。
「ちょっと碧! あんたさっきからどっちの味方なのよ!」
腹立たしい気持ちをそのままぶつけ、碧を睨みつける。
(だいたい碧は市長と戦っていたはずでしょう!
なんで私に矛先が向くのよ!)
みのりが肩で息をしていると、お茶を淹れに行っていた雅仲が
戻ってきた。
「ええっと、とりあえずお2人とも、お茶です」
「うむ」
市長と高松の前にカップが静かに置かれる。
「ああ。ありがとう。すまないね」
早速お茶を口にする市長の横で、高松が礼を言う。
みのりはその声に少しだけ冷静さを取り戻した。
(やだ。私ったら他の人がいるのに勢いで立ち上がっちゃった……)
いくら碧にむかついたとはいえ、これでは子供の癇癪と同じだ。
みのりは恥ずかしさから顔を熱くした。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|