Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CB
「そうですね。お願いします」
みのりの言葉に雅仲が口元を綻ばせる。
「はい。あ、皆さんのもご用意しますから」
ゆっくりと雅仲が立ち上がる。
横に置いていたお盆にそれぞれのカップを乗せていると、
碧が手を立てた。
「お構いなく」
確かにこれ以上飲み物責めにされたくもないのだろう。
かく言う自分も腹の中は水分過多になっている。
(本題ともズレちゃってるしな)
涼介は腹をさすりながら、内心でぼやいた。
それでも次兄の案に乗る以外にない自分は本当に情けない。
頬を掻いていると、碧が雅秋へ冷たい視線を送った。
「それでまだ席を立たないようですが、他に何がご用件が
あるのですか? 市長殿」
碧の問いかけに雅秋が酷薄な笑みを浮かべる。
「君に話す必要があるのかな? 側近君」
ここまで乗り込んで来ておいて今更その返しはないだろう。
「碧さんに向かって何失礼なこと言ってるんだよ」
話を収めようとしてくれているのがわからないのだろうか。
半眼で長兄を見つめると、
雅秋は泰然とした様子で背もたれに体重を預けた。
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