Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CD
「私はただみのり様に考えを改めていただきたいだけだ。
碧、お前は黄梅の行く末が心配ではないのか?」
語気が先ほどより尖って聞こえるのは本気で憤っているからだろうか。
だが、それはこちらも同じことだ。
「心配してるからって閉ざすのは
間違ってるって言ってるんだよ。わかってるだろう?」
黄梅は開かれるべきなのだ。
それをどうしてこの人はここまで頑なに否定するのだろう。
じっと雅秋を見つめていると、碧が小さく咳払いした。
「涼介君のおっしゃることも最もだと思いますが……そもそも何の行く末を
心配してるんですか?」
碧の質問に雅秋が片眉を上げる。
「何とは? 開かれてしまってはこれまでのようにはいかなくなる。
その時、梅宮はどうなる? 梅田は? 梅畑は? お前は気にはならないのか?」
一回り声が大きくなる雅秋に対し、碧がかぶりを振る。
「特に気になりませんね。それになぜこれまでのようにいかなくなるのですか?
実際にそうなったわけでもないのに、あなたは預言者か何かですか?」
碧の言う通りだ。
やってもいないことへ対し、先にバツをつけるというのが頷けない。
加勢しようと口を開きかける。
だが、それより先に雅秋が答えはじめた。
「預言者ではない。だが、年若い2人を導くのが自分の役目だと自負している。
そのためにも都にいる高松の協力が必要だ。だから訪ねてきた時に拒まなかった。
それなのによりにもよって、みのり様と同じ考えだとは。浅はかにもほどがある」
言い切り高松を睨み据える雅秋の頑なさに、涼介は脱力する。
「浅はかなのは雅秋兄のほうだろ……」
疲れて頭を抱えていると、碧が同意してくれた。
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