Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CG




(良く言ったわ紅!)


 きっと高松も涼介も代弁者になってくれた紅へ感謝していること

だろう。

みのりが胸をなで下ろしていると、お茶を淹れに席を立っていた

雅仲が戻ってきた。


「お待たせしました。お茶です。で、ちょっとご相談なんですが、

そろそろお昼も過ぎたんで、皆さんお話は昼食でも摂りながらに

なさってはいかがでしょう?」

「え? もうそんな時間なんですか?」


 みのりは、雅仲の言葉に目を瞠る。そして時計を見た。


「ええ。ちょうど13時を過ぎたくらいですね」

「そういえば、ちょっと腹すいてきたかも」


 雅仲に相槌する形で涼介が応える。

いつの間にそんなに時間が経っていたのだろう。

まったく気づかなかった。


(それだけ緊張してたってことなのかしら?

でも時間を知っちゃうとたしかにお腹がすいてきたかも?)


 みのりが腹部へ手を当て考えていると、

碧がおもむろに立ち上がった。


「昼食は作るのですか?

それなら僕も微力ながらお手伝いしますよ」

「お腹、すいた」


 紅の声にくすりと肩を揺らしながら、雅仲が碧の提案を断る。


「いえ。裏に電話して松花堂弁当でも頼もうと思うんですけど、

皆さん食べられない物とかありますか?」

「特にありません」


 みのりが応えると、雅仲はホッとした様子で微笑んできた。


「それはよかった。じゃあ、今から連絡しますね」

「今から注文して間に合うのかな? あれって予約制だろう?」

「そうなのですか? それなら僕のほうで頼みましょうか?」


 涼介の意見に、座り直した碧が雅仲を仰ぎ見た。










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