Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIE




「山波さんと考えを同じくしていただければ

私はいつでも退室いたしますよ」


 柔和な表情なのに向けられている眼差しが強く、怯みそうになる。

だが、ここで市長から目線を逸らしてしまったらそこで負けだ。

みのりは太ももに置いた手を握り締め、市長を見据えた。


「山波さんには先ほど考えを改めてもらえるよう説得しました。

ですから山波さんの考えは私たちと同じになると思います」

「彼に限ってそれはないと思いますよ。

何しろ『梅の実を守る会』の方ですからね」


 市長が小さく首を左右に振る。それに高松が割って入ってきた。


「こちらとしては、君にみのり様の考えに沿ってもらえるように

なればいつでも退室するつもりなんだけどね」

「残念ながらそれはないよ、高松」


 間髪入れずに拒絶する市長に、高松がため息をつく。


「ふむ、困ったね」


 市長と高松の会話が途切れるのを見計らっていたのだろうか。

碧が率直な意見を市長へぶつけた。


「山波さんが『梅の実を守る会』の人ならばお嬢様の意見に

従うのではないですか?」










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