Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIIIA




「お前は本当によくやったよ」


 まともにねぎらわれ、一瞬言葉に詰まる。

頬を掻いていると、碧が愉快げな声をあげた。


「やはり、護りたい大切なものがある男は違うんですかねー」


 微笑ましいと言わんばかりの目で見つめられ、涼介は焦る。


「いや、ええと、それは……。はい……」


 自分は今、きっとリンゴさながらに赤くなっているのだろう。

これは多分、いや、絶対からかわれているに違いない。

羞恥心に耐えられず下を向くと、紅の小さな舌打ちが聞こえた。


(だから、なんでだ?)


 いくら義兄のためだからと言って、

そこまでみのりをガードしなくてもいいんじゃないだろうか。


(そもそも碧さんは君が好きなんだよ)


 避難がましい視線を紅へ送ってしまうも、

紅が気にした様子は微塵も感じられなかった。


(なんか、単純に嫌われてるとか、そういうことなのか?)


 みのりの親友とも姉妹とも言える存在に嫌われてしまうのは辛い。

かと言って、変に取り繕おうとしても徒労に終わる可能性が大だ。


(どうしたものかな……)


 しばしそのまま逡巡していると、みのりが慌てた様子で話を切ってきた。










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