Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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 室内にコール音が木霊する。

みのりは静かに深呼吸を繰り返しながら、テーブルの中央に

置かれたスマートフォンを見つめた。

 何回目かの呼び出しのあと、音が止まりしわがれた声が

聞こえてくる。


『はい』

「もしもし、山波さんですか? 梅宮みのりです」

『こんばんは』


 山波の声は、心臓が早鐘のように脈打っている自分とは違い、

ずいぶんと落ち着いているように感じた。

決めかねていた答えが彼の中で固まったのだろうか。

みのりは一呼吸置いてから、山波へ声をかける。


「こんばんは。先ほどはありがとうございました。それで……

いかがでしょうか。お考えの方はまとまりましたか?」

『はい。決めました。みのり様、俺はあなたに黄梅の未来を賭けます』


 ためらうことなく返された言葉にみのりは瞠目した。

山波なら自分たちの気持ちをわかってくれると信じてはいた。

しかし、開口一番に賛同されるとは思っていなかった。

もしかして己の願望のせいで、聞き間違えてしまったのだろうか。

みのりは眉間に皺を寄せ、山波へ訊き返した。










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