Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CIIIF
「いいのですか?
これまでのようにはいかなくなるかもしれないですよ?」
『覚悟の上です』
山波から揺るぎない返答を貰い、ようやく実感し始める。
固唾を呑んで見守っていた涼介たちも安堵の息を吐いていた。
「あ、ありがとうございます!
そのお言葉を心から待ち望んでいました」
みのりが電話越しにも関わらず頭を下げていると、山波の
溌溂とした声が返ってくる。
『いえ。皆さんのおかげで目が覚めました。
不肖山波、みのり様に一生ついてまいる所存でございます』
「皆さんのおかげ?
あのあと私たち以外の方とお会いになられたんですか?」
山波の言葉に引っかかりを覚え、問い返す。
すると山波は嬉しそうな声で説明を始めた。
『ええ。
太一君と太一君のお友達と、あと邦夫さんにもお会いしました』
「ほぅ、太一君が……」
「ってことは、太一君と一緒にいたのは里夫君か……」
碧が感嘆の声をあげる。向かい側で涼介が予測を立てているが、
みのりは少年たちの名前よりもあとに続いた名前の方が気になった。
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