Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
IIF
(まあ、普通は異性として好意を寄せているなんて思わないわよね。
それに涼介ってばなぜか、碧なんかを尊敬しちゃっているし……)
本人の口から語られるならいざ知らず、第三者である自分が言った
ところで勘違いだと一蹴されるだけだろう。
(そうだわ。涼介に碧の本性を知ってもらえばいいのよ!)
碧の実態を知れば、涼介だって側近に抱いていた思いが幻想だった
と気がつくはずだ。みのりは小さく息を吐き出し、涼介を見据えた。
「最初のうちはいいのよ。
でもね、これが毎回だと、いい加減面倒臭くなってくるわよ。
しかも放っておくと碧は、イジイジメソメソして本当にうざいん
だから!」
腕を組み、涼介へ言い聞かせるように碧のマイナスな面を語る。
これで側近に対する好感度も下がったことだろう。
みのりが内心でほくそ笑んでいると、涼介が顔を綻ばせ碧へと目線を
やった。
「へえ! それはちょっと見てみたいかもな」
彼の視線を追う形でみのりも顔を向ける。
そこには、紅へ縋りつくように喚いている碧の姿あった。
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