Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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『はい。それでは、失礼いたします』


 山波が再度終了の挨拶をする。


「碧、余計なことを!

山波さん、明日お待ちしておりますね。それでは失礼いたします」


 取り繕うように告げるみのりに対し、

山波はどこまでも恭順を示すつもりのようだった。


『はい。ごめんください』


 丁寧に別れの挨拶をする山波に、紅が呟く。


「おじさん、バイバイ」


 紅の言葉は聞こえていただろうか。

それとも聞こえていてあえて答えなかったのか。

静かに通話が切れる。

と同時に、雅仲がキッチンから出てきた。


「お話は終わりましたか? 食後のお茶入れたのでどうぞ」


 タイミングを計っていたのだろう。

まったく食えない次兄だ。

一人微苦笑している向かいで、みのりが柔らかな微笑みを見せた。


「ありがとうございます。

緊張していたせいか、のどが渇いていたので助かります」


 緊張感の抜けた笑顔は久しぶりで、いつもより倍にまぶしく移る。


(よし、行こう!)


 この想いを伝えよう。

失恋してしまうのだとしたら、

みのりの手で恋心ごと粉々に砕いてしまってほしい。


(でないと、俺は前に進めない)


 涼介は深く深呼吸して、次の行動にでるチャンスを窺った。










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