Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CCIC




「雅仲さん。申し訳ありませんが、あとで良いので市長に

集合場所と時間の連絡をお任せしてもよろしいですか?」

「あ、はい。あとでメールしておきます」


 雅仲が快く応じてくれ、みのりは安堵する。

これで行き違いになることなく市長たちにも連絡が届くだろう。

有耶無耶のまま同行を許可した形になってしまったせいもあって、

彼らと連絡を取りたくなった。

みのりがホッと胸をなで下ろしていると、碧が話に入ってくる。


「あの方々にわざわざ知らせなくとも大丈夫ですよ。

きっとこの屋敷のどこかにも盗聴器とかしかけられている

でしょうからね」

「ちょっと碧、失礼にもほどがあるわよ」


 碧が刺々しい声音で嫌みを言う。みのりは慌てた。

雅仲へ申しわけなく思いながら頭を下げる。しかし彼は碧の言動を

気にしたふうもなく、それどころか愉しそうに笑い出した。


「あはは。さすが碧さん。よくご存じですね」


 あっけらかんと言い放たれた言葉に、みのりはギョッとする。

幼い頃からひどい仕打ちをされすぎて、麻痺してしまったの

だろうか。みのりはまじまじと雅仲を見つめた。










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