Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CCIH
「お兄様が……」
ひっそりと呟くみのりには、もはや自分など問題ではないらしい。
顔をあげたみのりは自分ではなく雅仲を見つめていた。
「なぜお兄様がゲームを作ってるの?
ううん、それよりもお兄様ってお母様とお父様と同じ考えの人よね?
そんな伝承とかを遊びにしちゃうような人じゃないはずなのに?」
畳み込むように疑問を投げかけるみのりへ雅仲が微笑む。
これはさらに話が長くなりそうだ。
(雅兄、いいからもう適当に話を区切ってくれよー)
内心で拝む。
しかし残念ながらその願いは次兄の心へ届くことはなかったらしい。
焦るこちらを尻目に目を輝かせ、雅仲が口を開いた。
「忠信さんは獣人たちとの共存を願っていて、
その気持ちをどうしたら広くみんなに知ってもらえるか
ずっと考えていたんです。
それでプログラミングが趣味の俺に話を持ちかけてきたんです」
珍しく早口で捲し立てる雅仲に驚きながらも、
涼介はどうやって話に終止符を打つべきか急ぎ考えを巡らせた。
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