Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「最初は自主制作だったんでコミマで出店したんですが、

これがなぜか思った以上に反響を呼んでしまって」


 もしかしたら雅仲自身も誰かに自慢をしたかったのかもしれない。

ただそれが本人たちの預かり知らぬところで有名になってしまった

せいで語るに語れなかったのではないだろうか。

みのりが心の中でそんな予測を立てていると、碧が興味深げに相槌を

打つ。


「そうだったのですか? ということは市内の中に獣人との共存を

願っている人が思った以上にいるのかもしれませんね」

「そうだったんだ。すごいな。わざわざ許可とって都に出たんだ。

勇気あるなあ」


 本当にそう思っているのだろうか。

みのりには涼介がおざなりに言っているように聞こえ、目を瞠った。


(言い出したのは涼介なのにどうしちゃったのかしら?)


 訝しげ思いながら彼を眺めていると、わざとらしく手を叩き

捲し立ててくる。


「そうそう勇気と言えば、みのりさん。

ちょっと話があるんだけどちょっとそこまで来てくれないかな?」


 涼介からの突然の誘いに戸惑っていると、紅に呼ばれた。


「お嬢さま」

「はいはい、紅。邪魔をしてはいけないよ」


 いい子だからね、と碧が紅の頭をなでる横で涼介が席を立った。










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