Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CDIB




「よし、と。ここでいいかな……」


 ぼんやりとした月明かりに庭の木々が照らされている。

きちんと手入れをされたツツジの赤がやけに明るく思え、

涼介は吐息した。


「急に話したいことがあるなんてどうしたのよ。

あそこじゃできなかったの?」


 問いかけてくるみのりの声に、

彼女の手を握ったままだったことに気づく。

できれば手を離したくない。

だが、このままで告白したらマナー違反だと

見なされてしまわないだろうか。


(断られるにしたって、嫌われたくはないしな……)


 だが、告白なんて初めてでまったく想像がつかない。
とりあえず手は離しておこう。

そう決めて、みのりの手を解放しつつ、彼女へ向き直る。


「うん。あそこじゃできないんだ。ほら、星もよく見えないし」


 口の端に笑みを浮かべてみのりを見ると、

まっすぐな視線が返ってきた。


「星? 星が見えないとダメなの?」


 無防備なその表情に、いきなり心拍数が上昇する。

かといって、

今顔を背けたらそれはそれで怪しまれてしまうかもしれない。

だいたい、星も雲で隠れてしまっているし。


「見えたほうがいいかなあって。それにほら、中ちょっと暑かったしさ」


 涼介はシャツの胸元をぱたぱたと動かしてみせると、みのりが小首をかしげた。










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