Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CEI




(い、今、涼介が私をす、好きって言ったのよね?)


 彼の顔が暗がりでもわかるくらい赤く染まっている。

きっと自分も同じ顔色になっているだろう。うるさいくらい脈打つ

心臓の音が聞こえてくる。だがその熱はすぐに、

冷水を浴びせられたかのように引いていった。

みのりは声を震わし、彼へ詰め寄る。


「何言ってるのよ。ふざけてるの? あなたには紅がいるじゃない!」


 2人が想い合っていることに気づいていないとでも思っていたの

だろうか。


(ううん。仮にそうだとしても、別の女性が心にいるのに

なんで告白なんてしてくるのよ……)


 涼介の気持ちが理解できない。みのりは唇を噛んだ。

しかし彼からの返答は、予想外のものだった。


「紅さん? なんでそこで紅さんの名前が出てくるんだ?」


 涼介が、心底わからないと言わんばかりに首をかしげる。

みのりはぎょっと目を剥いた。


「だって2人は付き合ってるんでしょう?

そりゃあ、紅は女の私から見ても可愛いもの。

涼介って見る目あるわよね」


 この期に及んで照れているのだろうか。

みのりは涼介が打ち明けやすくなるよう、紅を褒めた。

だが青年はそれでもまだ紅のことを認める気がないらしい。

素っ頓狂な声をあげ、凝視してきた。










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