Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CEI
(い、今、涼介が私をす、好きって言ったのよね?)
彼の顔が暗がりでもわかるくらい赤く染まっている。
きっと自分も同じ顔色になっているだろう。うるさいくらい脈打つ
心臓の音が聞こえてくる。だがその熱はすぐに、
冷水を浴びせられたかのように引いていった。
みのりは声を震わし、彼へ詰め寄る。
「何言ってるのよ。ふざけてるの? あなたには紅がいるじゃない!」
2人が想い合っていることに気づいていないとでも思っていたの
だろうか。
(ううん。仮にそうだとしても、別の女性が心にいるのに
なんで告白なんてしてくるのよ……)
涼介の気持ちが理解できない。みのりは唇を噛んだ。
しかし彼からの返答は、予想外のものだった。
「紅さん? なんでそこで紅さんの名前が出てくるんだ?」
涼介が、心底わからないと言わんばかりに首をかしげる。
みのりはぎょっと目を剥いた。
「だって2人は付き合ってるんでしょう?
そりゃあ、紅は女の私から見ても可愛いもの。
涼介って見る目あるわよね」
この期に及んで照れているのだろうか。
みのりは涼介が打ち明けやすくなるよう、紅を褒めた。
だが青年はそれでもまだ紅のことを認める気がないらしい。
素っ頓狂な声をあげ、凝視してきた。
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