Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CEIG




(もうなんなの。どうして涼介ってばそんな余裕がありそうなのよ)


 これが年上の貫録というやつなのだろうか。

そんなところもかっこよく見えてしまうのだが、それがまた困る。

こんな経験をしたことがないからどんな反応をすればいいのか

わからない。

 みのりが内心でうろたえながら対策を練っていると、

涼介が口を開いた。


「返事は急がないからさ。考えてみてくれるかな?」

「へ、返事! あ、ああそうよね。返事。返事は」


 そうだ。告白をされたのなら返事をしなければならない。

涼介と同じ気持ちだったとわかり、浮かれすぎてそこまで気が

回らなかった。

 みのりが焦って捲し立てると、青年からストップがかかる。


「だから、急がないから。すぐじゃなくていいよ。って聞いてる?

あんまりちゃんと聞いてないならこのままキスするぞ」


 不意に聞こえてきた不埒なセリフにみのり目を丸くした。

そして両手で口を押え、後ずさる。


(き、キス! 今、キスって言った?)


 急にどうしてしまったのだろう。彼はこんなことを言う男だった

だろうか。


(突然、き、キスだなんて嬉しいけど心の準備が……

それにまだ返事だってしてないのに)


 みのりは涼介の唇を凝視した。










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