Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
三
CEIG
(もうなんなの。どうして涼介ってばそんな余裕がありそうなのよ)
これが年上の貫録というやつなのだろうか。
そんなところもかっこよく見えてしまうのだが、それがまた困る。
こんな経験をしたことがないからどんな反応をすればいいのか
わからない。
みのりが内心でうろたえながら対策を練っていると、
涼介が口を開いた。
「返事は急がないからさ。考えてみてくれるかな?」
「へ、返事! あ、ああそうよね。返事。返事は」
そうだ。告白をされたのなら返事をしなければならない。
涼介と同じ気持ちだったとわかり、浮かれすぎてそこまで気が
回らなかった。
みのりが焦って捲し立てると、青年からストップがかかる。
「だから、急がないから。すぐじゃなくていいよ。って聞いてる?
あんまりちゃんと聞いてないならこのままキスするぞ」
不意に聞こえてきた不埒なセリフにみのり目を丸くした。
そして両手で口を押え、後ずさる。
(き、キス! 今、キスって言った?)
急にどうしてしまったのだろう。彼はこんなことを言う男だった
だろうか。
(突然、き、キスだなんて嬉しいけど心の準備が……
それにまだ返事だってしてないのに)
みのりは涼介の唇を凝視した。
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