Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　しかたないので話を変える。


「おい、そういえばお前、会社はどうした？」


　いくら営業職だからと言って、そんなに直帰ばかりしていて

いいのだろうか。

心配になって問うと、なんとも言えない情けない呻きが聞こえてきた。


「……になりました……から……」

「なんだって？　聞こえんぞ」

「クビになりました、から……」

「なんだとー！」


　そんな大事を今の今まで報告もしないとは。


「やっぱりお前は信用できん！」


　仕事もできない男に娘をやれるか。

息巻いて告げると、飛田が頬を掻いた。


「その点においては本当に申し訳ないと思っています。

でも、僕にとってはお義父さんたちがやろうとしていることのほうが

意味のあることに思えたので。優先させちゃいました」

「なっ！」


　では、自分のせいでこの青年は職を失ったということなのか。

善郎は言うべき言葉が見つからず、シートに背中を深く沈める。


（ますますすぐにでも俺が決める以外ないじゃねえか）


　しばし瞳を閉じ、考える。それから、ゆっくりと口を開いた。


「行き先変更だ。墨吉神社で降ろしてくれ」