Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　無言のまま見つめられ耐え切れなくなったのだろう。

里夫が後ずさりながら善郎に向かって吠える。


「な、何じろじろ見てんだよ！　み、見せもんじゃねーぞ！」


　太一はすぐケンカ腰になる友人に内心で肩を竦めた。

それでも二人の仲を取り持とうと、里夫を宥めすかす。


「もうリオってば、すぐそうやって……でも安心していいよ！

おじちゃんは優しい人だし、リオのお祖父ちゃんと

お友達なんだから！」


　里夫が大きな瞳でまばたきを繰り返した。しかしそれ以上に

善郎の方が驚いているみたいだ。


「友達？！　俺の？！」


　黙っていた善郎が素っ頓狂な声をあげた。太一は、得意げに

胸を反らす。


「そうだよ！」

「友達……。獣人の……？」


　再び考え込み始める善郎を目にし、太一は里夫にとって

死活問題なことを思い出す。


「あ、でもおじちゃんって獣人のこと嫌いって言ってたかも……」


　みんなで願いを叶えるときになったときになって勃発した

争いごとが脳裏をよぎり、血の気が引いた。

もし善郎が暴れ出したら。果たして自分は一人で友人を守ることが

できるのだろうか。太一はおずおずと善郎の顔色を窺った。