Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


�I�@

「……そうなのか……。じゃあ、お前さん、もしかして邦夫さんの……」


　狼野郎と関係がないのだとしたら、あとは１人しか

思い当たる節はない。


（麗さんは鶯だったからなあ）


　神社で優雅に飛び回る鶯を思い起こしていると、

リオが心底驚いたような声をあげる。


「え？　邦夫ってお祖父ちゃんの名前……おっさんもしかして

お祖父ちゃんのこと知ってるのか？」


　リオの問いに善郎は胸を叩いてみせた。


「おうよ！　邦夫さんにはお世話になったんだ。そうかそうか。

あの方のお孫さんか。なら夜に強いのも頷けるな」


　何しろムササビは夜行性なのだから。


（けど、昼間も普通に生活していたような……）


　そうだとしたら獣人は一体いつ眠るのだろう。

内心で首をかしげていると、リオが語気を強めてくる。


「当たり前だろう！

夜行性の人間が夜を怖がってたら話になんねーからな！」


子供というものは獣人だろうか人間だろうが変わらないらしい。

威張って啖呵を切るリオに苦笑していると、太一が目を輝かせた。