Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「そうだな。おっさん、本当にオレら獣人が嫌いのなのか？」


　里夫と一緒になって善郎を仰ぎ見る。思いのほか距離を縮め

すぎてしまったのかもしれない。善郎が後ろへ後ずさった。


「う……。いや、それはあの、だな……。

大人の事情ってやつだ。うん」

「大人の事情？　リオのお祖父ちゃんとは仲が良いのに？」


　太一が頭に疑問符を浮かべていると、里夫が口を尖らせながら

説明してきた。


「太一、大人はそうやって誤魔化すんだぜ」

「それとこれとはまた別の話ってやつでだな。うん。

嫌いなわけじゃないぞ」


　善郎は里夫の言い分を聞いていなかったのか、腕を組み一人で

納得していた。言葉を濁してそのまま話を流そうとしているの

だろうか。太一は善郎へ不満をぶつける。


「えー。よくわかんない。

嫌いじゃないなら好きってことでしょう？」

「好きとかそういう……。いや、だから俺が言いたいのは

そういうことじゃなくてだなあ。ああ、もう面倒くせぇ！」


　善郎が突然しゃがみ込み、無造作に分かれている七三の頭を

掻き毟り出した。


「おじちゃん急に頭掻いてどうしたの？」


　太一は善郎の行動に驚きまばたきを繰り返す。その横で里夫の、

のん気な声が聞こえてきた。