Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「だがまあ、種族が違うんだってことは忘れるなよ？

大人になっても仲良しなんてーのはほとんどないんだからな」


　善郎がちらりとミラー越しに視線を向けてくる。

運転に集中するためすぐに逸らされたが、太一は鏡に映る善郎に

向かって異を唱えた。


「そんなことないよ！

ぼくのじぃちゃんは獣人とずーっと友達だったもん！」

「へぇ！　今でも仲良しなのかい？

奇妙なこともあったもんだなぁ」


　信じられないと言わんばかりに、善郎が目を見開く。


「もう死んじゃったから……」


　太一は善郎の問いかけにさっきまでの勢いを失くした。

隣で里夫の息を呑む音が聞こえる。重苦しい空気が車内を

包み込んだ。


（このままじゃ、おじちゃんたちの言うことが

正しいってことになっちゃう……）


　それは嫌だ。太一は鏡の中にある善郎の瞳を見据える。


「でも生きてたら今も友達だったよ。絶対！」


　自分が生まれる前に亡くなっている祖父がどんな考えを

持っていたかなんてわからない。それでも太一は確信を持って

言い切った。