Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「じいちゃん、ただいまー。じいちゃんに客だぜー」


　里夫は車から降りるや否や駆け出し、家の中に入って行った。

太一も善郎と並んで歩きながら玄関口へと入る。

先日来たときも思ったが立派な家だ。

自分の家とは違い、三和土（たたき）もおもむきがある。

太一が口を開けて壁やら天井を眺めていると、奥から邦夫が

やってきた。


「ん？　誰だべ？」


　邦夫がいがぐりのような頭へ手をやりながら、首をかしげた。

その姿を目にしたとたん善郎が頭を下げる。


「先日はお世話になりました。山波です」

「おー！　山波さん。こんなところじゃなんだべ。

さっ中へへぇんべぇ」


　善郎の登場に驚いたのだろう。

大きな瞳をさらに見開き、邦夫が小走りで近づいてきた。

そして、素足のまま三和土におりる。


（リオのお祖父ちゃんも、ああいう服着るんだ）


　今日はずっと家にいたのかもしれない。

きっと出かける予定がない時の部屋着なのだろう。

前回見たワイシャツとズボンという出で立ちではなく、

薄茶色のスウェットを着ていた。


（仕事が休みのパパと同じだ）


　父親との共通点を見つけ、嬉しくなる。

その間にも善郎と邦夫の話は続いていた。