Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「ありがとうございます。

実は邦夫さんにぜひお知恵を拝借したいことがございまして……」

「おーなんだべ？　わしにわかるこったらえぇんだけんども」


　邦夫が、ペコペコと頭を下げる善郎の肩を叩きながら朗らかに

笑った。邦夫の好意的な返事に善郎が嬉しそうに顔をあげる。


「ありがとうございます。どうか１つよろしくお願いいたします」


　話がひと段落ついたようだ。

太一は、再び頭を下げる善郎の脇から顔を出す。


「リオのお祖父ちゃんこんにちはー！」

「お、太一君もおったんだべか」


　一度も目が合わないと思ってはいたが、

どうやら邦夫に気づかれていなかったみたいだ。

善郎の影で見えなかったのかもしれない。

太一は、驚いている邦夫に満面の笑みを向ける。


「うん。リオと遊んでたんだよ」

「里夫と！　そうかぁ」


　邦夫は、声を上擦らせたかと思うと瞳を潤ませながら

くしゃっと笑った。


「うん。そしたらおじちゃんに会ったんだー」


　ね、おじちゃん、と善郎を見ると、襟足をなでながら

善郎が首肯した。