Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「はい、本当に偶然で」

「ほぉー。そうだったんだべかー」


　邦夫が感心しながら善郎とこちらへ視線を向けてくる。

太一がへらりと笑っていると、里夫が顔を覗かせた。


「あれ？　じいちゃんまだ中にあげてないのか？」

「おぉーそうだったべ。すまん、すまん。へぇんべ」


　孫の指摘に、邦夫がおでこをペチっと叩く。

中へ入るように促され、太一は靴を脱いだ。


「お邪魔しまーす」

「お邪魔します」


　邦夫を先頭に、太一、山波の順であとへ続く。

通された場所はこの間みんなでプリンを食べた場所だった。

太一は前回と同じ場所に座る。リオがお盆を持って、部屋へ

入ってきた。


「じいちゃん茶ー持ってきたぞー」

「わーリオありがとう」


　太一は目の前に置かれた湯呑を手に取り、礼を告げた。

その横で、善郎も同じように里夫へ微笑みかける。


「悪いな、坊主」

「どうってことねーよ。こんくらい」

「すまんなぁ、リオ。そうだべ。

山波さんたちは腹の減りはどうだんべ？」


　里夫へ隣に座るように合図をしたあと邦夫が顔を向けてくる。

太一はどう返答していいかわからず、山波の顔を見た。