Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「は、はあ……。実は……朝から碌に食べておりません」


　飯のことを問いかけられ、いきなり空腹を意識した。

鳴りそうになってしまう腹を押さえ込みつつ口の端へ

笑みを浮かべてみせると、邦夫が膝を打つ。


「ならかき揚げ丼でも作ってもらうべーか？」


　邦夫の提案に目を見開く。

そうまでしてもらうわけには、と言おうとするも、

リオに気を回されてしまった。


「おっさん飯食わねーと身体に悪いぞ？

よし、オレが母ちゃんに頼んできてやるよ」


　立ち上がるリオを前に善郎は頭を掻く。


「すまんなぁ。

……本当にありがたいです。実を言うと腹が減って腹が減って……」


　リオと邦夫へ向け苦笑を交え礼を言うと、リオがに片頬をあげた。


「いいってことよ」


　元気よく部屋からでていくリオの後ろ姿を眺めていると、

横で太一が両手を叩く。


「わーい。ぼくかき揚げ大好きー」

「俺もだ。一緒だな、坊主」


　太一の言葉に善郎も心から同意すると、太一が深く頷いてくる。


「うん！　でもなんでおじちゃんご飯食べられなかったの？」


　素直な疑問を口にする太一を前に、善郎は小さく呻いた。