Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　太一は愉しそうに笑う邦夫を見て嬉しくなり、里夫を見た。


「ふふふ。ぼくと里夫みたいだね」

「オレとお前は会ってすぐに友達になっただろうが」


　照れくささが先に出たのだろう。

里夫がつっけんどんな物言いで訂正を入れてきた。


（リオもすぐに友達だって思ってくれてたんだ）


　太一は自然と緩む頬をそのままに、里夫の言葉に同意する。


「あ、そうだったね」

「フン」


　里夫が鼻の頭を指で掻きながらそっぽを向いた。

太一はニマニマしながら友の顔を眺める。するとおもむろに

善郎が口を開いた。


「……その、亡くなったっていうのは、ご病気で？」


　窺うように訊ねる善郎の言葉に、邦夫は少し沈黙したあと

小さく首を振る。そしてうな垂れるように顔を俯かせた。


「……いんや。

大ちゃんが亡くなったのはわしを助けたせいだんべ」

「え？」

「え……？」


　太一の驚きは善郎の声と重なった。なんと言っていいのか分からず

固まっていると、邦夫がゆっくりと顔をあげる。

悲しげな、けれども力強さを感じる眼差しに太一は唾を飲み込み、

姿勢を正した。