Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「いんや。

わしを助けなければ大ちゃんが死ぬことはなかったんだんべ」

「邦夫さん……」


　善郎は呻く。

もはやかける言葉も見つからず、

口を閉ざすとずっと黙っていたリオがおもむろに声をあげた。


「なあ、その話なんか太一のじいちゃんの話に似てねーか？」


　リオの問いかけに善郎は首を縦に振る。


「確かにな」


　行きがけに車内で聴いた話とそっくり同じに思える。

答えを求めて太一を見遣ると、太一も同意した。


「うん。でもぼくのじぃちゃんは吉田大吉（ひろよし）って

いうから大ちゃんさんなんて名前じゃないよ」


　太一の言葉に目の色を変えたのは邦夫だった。


「吉田大吉？

もしかして太一君のおじいさんは、町医者をしていなかっただべか？」


　気色ばんだ様子の邦夫に嫌な思いがよぎる。


（まさか……な……）


　唇を噛み締めていると、太一が無邪気に首をかしげた。