Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
一
IIIE
「イタッ!」
鈍い痛みに小さく不平を言うと、容赦ない言葉が降ってくる。
「邪魔」
紅からにべもなく言い切られ、涼介は目を瞬く。
「へ?」
訳がわからず間の抜けた声をあげる内に、
紅がさっさとみのりの隣へ乗り込んでしまう。
いくらなんでもそれはないんじゃないだろうか。
(お義兄さんの想い人は君なんだよ?)
内心で訴えつつ、しかたなく紅の後に乗り込む。
碧が確認するように車内を覗き尋ねてきた。
「皆さん座りましたか? それでは閉めますよ」
「はい。お願いします」
碧へ返答すると、彼は頷き後部座席のドアを閉めた。
助手席に乗り込んだ碧が飛田へ改めて一礼する。
「飛田さん、それではよろしくお願いします」
「はい。それじゃあ、出発しますね」
碧の言葉を受けてエンジンをかける飛田へ、みのりもお辞儀した。
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