Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IIIE




「イタッ!」


 鈍い痛みに小さく不平を言うと、容赦ない言葉が降ってくる。


「邪魔」


 紅からにべもなく言い切られ、涼介は目を瞬く。


「へ?」


 訳がわからず間の抜けた声をあげる内に、

紅がさっさとみのりの隣へ乗り込んでしまう。

いくらなんでもそれはないんじゃないだろうか。


(お義兄さんの想い人は君なんだよ?)


 内心で訴えつつ、しかたなく紅の後に乗り込む。

碧が確認するように車内を覗き尋ねてきた。


「皆さん座りましたか? それでは閉めますよ」

「はい。お願いします」


 碧へ返答すると、彼は頷き後部座席のドアを閉めた。

助手席に乗り込んだ碧が飛田へ改めて一礼する。


「飛田さん、それではよろしくお願いします」

「はい。それじゃあ、出発しますね」


 碧の言葉を受けてエンジンをかける飛田へ、みのりもお辞儀した。










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