Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　善郎が頭へ手をやり、眉を下げる。


「いや、だからな。その凝り固まった考え方がなあ。

邦夫さんを見てみろ。いろんなことがあってもしなやかに生きて

おられるだろうが」


　白髪混じりの髪の毛をガシガシと手で梳く。

太一は、善郎の言葉に乗っかるように満を見る。


「そうだよ。おじちゃんの言う通りだよ。

黄金梅を奪うなんてダメだよ！

そんなことしたらばぁちゃんに花を見せられなくなっちゃうもん」


　何も言えなかった自分の代弁を善郎がしてくれた。

初めは頑なだった善郎が味方になってくれたことが嬉しい。

なんとかして満も善郎のように考えを変えてくれないだろうか。

太一は拳を握り、必死に訴える。

だが、満の反応は否定的なものだった。


「じいさんたちみたいに悠長に構えてたからダメだったんだよ。

だから灰人が犠牲になっちまったんだ！」


　唾を飛ばす勢いで言い切る満に太一は言葉を詰まらせた。

何も言い返すことができず口をつぐんでいると、

里夫が大きな瞳を丸くさせながらこちらを見てきた。