Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　ドキドキしながらインターフォンを見つめると

ガチャという音とともに返事がくる。


『はい』

「あ、ばぁちゃん？　ぼく太一！　開けてー」


　太一は母の一美ではなかったことに安堵した。


（ばぁちゃんならママみたいにガミガミ言わないもんね）


　ふぅーっと胸をなで下ろす。

汗をかいているわけではないが、額を拭う仕草をしていると

その横で、善郎が直立不動のまま玄関を見据えていた。


（おじちゃんどうしちゃったんだろう？　緊張してるのかな？）


　太一は首をかしげた。だが、善郎へ話しかける前に

祖母のため息交じりの声が聞こえてくる。


『太一！　まったくもう、この子は……ちょっと待っててね』

「開けてくれるって、おじちゃん」


　太一は微動だにしない善郎へ手を伸ばした。

善郎はびくりと肩を竦め、乾いた笑みを向けてくる。


「ああ。とりあえずはよかった」


　さっきまであんな元気だったのに。今はとても具合が悪くそうだ。

太一は外灯に照らされた善郎の顔色を窺う。

すると、玄関の白熱電球がついた。