Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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「友達と遊んでたらおじちゃんに会ったんだ。

あ、おじちゃんはね一緒に黄金梅を咲かせようとしてくれてる

人なんだよ。ね、おじちゃん」

「は、はい。太一君には大変お世話になっております」


　世話になっているのは自分の方だ。

太一は善郎の言葉を訂正しようとする。だが、節子には伝わって

いたみたいだ。善郎へ深々と頭を下げた。


「うちの孫がすみません」


　善郎が良い人だということはわかってもらえたらしい。

太一はホッと肩の力を抜いた。ふいに母親のことを思い出す。

玄関口でこれだけ騒いでいるのに顔を見せてこないのはなぜ

なのだろうか。


（いつもだったらインターフォンの受け答えもママが

やるはずなのに……）


　家にいないのだろうか。太一は、善郎と話している祖母の腕を

ふれる。


「ねえ、ばぁちゃん。ママはどうしたの？」

「太一、お話しているときに勝手に入ったらダメでしょう」


　祖母に睨みつけられ太一は肩を竦める。

だが節子はすぐに善郎へ愛想笑いを向けた。