Gold Plum

第六章


対峙


〜善郎＆太一の場合〜


四


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　玄関の明かりにほっとして、車を車庫へ入れる。

ただいま、と小さな声で扉を開けると、音で気づいたのか

和子が走り寄ってきた。


「お帰りなさい。今日はいつもより早かったですね」


　一瞬皮肉か、とも思ったがそうでもないらしい。


「ああ」


　軽く頷き靴を脱いでいると、和子が背中越しに話しかけてきた。


「居間で芽衣子が待ってますよ」


　和子の言葉に善郎は眉間に皺を寄せる。


「そうか……」


　飛田のことで怒っているのだろう。

また言い合いになるのだろうか。

苦い思いを抱きながら曖昧に応じて廊下を歩く。

居間に入るなり芽衣子が駆け寄ってきた。


「お父さん！」

「なんだ」


　顔を寄せられ仰け反りながら渋面で答えると、芽衣子が地団駄を踏んだ。


「なんだじゃないわよ！　連日飛田君を連れ回して！」


　のっけから痛いところを突かれ、素直に謝罪する。


「すまん」


　謝るも、芽衣子の剣幕は治まる様子がない。


「飛田君会社クビになっちゃったのよ！」


　芽衣子の言葉に善郎は首肯する。


「わかってる」


　言いながらちゃぶ台へ座ると、後頭部から芽衣子の声が振ってきた。