Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





A




「みんなになんて説明したらいいのかしら……」


 みのりは何事もなかったかのようにぼやいた。先ほどの締りの

ない顔は誰にも気づかれていないようだ。指摘されることなく、

高松が自身の考えを主張してくる。


「一応身内のやろうとしてることだしね」

「シッシ」


 近づいてこようとする高松に紅が犬猫を追い払うような

仕種をした。紅の態度に内心で苦笑しながらも、

みのりは高松の言動に驚愕する。


(ずいぶんあっさりと身内って言ってくるのね。

もう隠す気がないってことなのかしら?)


 血の繋がりのある人間を一緒に連れて行って良いのだろうか。

だが同行を拒否したところで、市長たちは勝手についてくる

だろう。


「もうほっといていいんじゃないかな。

どうせ雪姫たちから許可は下りないだろうし」


 涼介の言葉は、こちらの悩みを読んでいたかのようなもの

だった。みのりは胸を高鳴らせながらも、平然を装いながら

相槌を打つ。


「それもそうね」


 みのりは不自然にならないように顔を涼介から逸らした。










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