Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





F




 涼介は車内からちらりと背後を窺う。


「当たり前といえば当たり前だけど。ついてきてるなあ……」


 誰にともなくぼやくと、みのりが肩を竦めた。


「でも撒いたとしても集合場所を知っているはずだから

意味ないわよね」


 みのりの問いに涼介は首をかしげる。


「言ってたっけ? 雅仲兄さんが言ってればわかるだろうけどさ」

「何言ってるのよ。

昨日言ってたじゃない盗聴器の1つや2つ当たり前だって」


 雅仲の言葉を思いだし、手を打つ。

確かにそんなことを言っていたような気がする。だが……。


「まあ、そうだけど。雅仲兄さんも冗談だって言ってたしさ」

「いいえ、あれは本気の目だったわ」

「そうかなあ……」


雅仲は長兄の手前口には出せないが、

どちらかというとみのり側の人間に近い気がしたのだが。


「雅仲君もなかなかどうしてタヌキのようですからねー」


 碧がみのりの言葉を肯定する。

そうだろうか。

腕を組み考え込んでいると、みのりがほら、と目を輝かせてきた。










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