Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
G
「碧にあそこまで言わせる人なのよ」
嬉々とした表情のみのりはとても魅力的だ。
(かわいいなあ……)
表情豊かなみのりに見惚れていると、間にいた紅がぼそりと呟いた。
「次男、優秀」
紅の発言で我に返る。
みのりから視線を逸らし、涼介は碧へ声をかけた。
「次兄はタヌキなところがありますけど、それでも基本
言ったまんまの人なんです。結構何も考えてないと思うな」
だが、碧の考えは違うらしい。
「なるほど。涼介君はそう見るのですね」
若干不満げな声に涼介は頭を下げる。
「すみません。碧さんの意見を非難したいわけではないんですが」
「別に構いませんよ。何事もないよりはあった方がいいですからね」
「はあ……」
やはりご不満なようだ。
碧に失望されてしまうのは正直辛い。
だが、次兄は苦労性ではあるものの、それほど欲があるわけではない。
そこだけは彼にわかってもらいたい気がした。
(もう少し説明したほうがいいのかなあ)
次兄の弁明をするのも変な気がしてまよっていると、
「結局どっちなのよ」
「それはお嬢様がお決めになればいいことですよ」
碧の言葉にみのりの声がさらに尖ったものになった。
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