Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





H




「そうやっていつも煙に巻くのやめてほしいのだけど」


 声は荒らげていないものの腕を組み、

人差し指を上下させている。


(これはヤバい)


 喧嘩に突入されたらどちらの肩を持つべきか迷う。


(いや、今の俺だと絶対みのりさんにつくだろうな)


 絶対に味方でいると誓ったことを思いだした。

そもそもみのりは碧と対立したくて尋ねているわけではない。

涼介はみのりへ正直に告げることにした。


「大丈夫だよ、みのりさん。いざというときは必ず俺が守るから」


 本音を乗せて微笑みかけるとみのりの頬が朱に染まった。


「え! あ、いや、うん。あの、えっと、ありがとう」


 かわいい。とてつもなくかわいい。

手を伸ばしかけ、今は我慢と手を引っ込める。


「うん」


 一瞬小指付近を誰かにはたかれたような気もするが、

そんなことは少しも問題ではなかった。










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