Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
H
「そうやっていつも煙に巻くのやめてほしいのだけど」
声は荒らげていないものの腕を組み、
人差し指を上下させている。
(これはヤバい)
喧嘩に突入されたらどちらの肩を持つべきか迷う。
(いや、今の俺だと絶対みのりさんにつくだろうな)
絶対に味方でいると誓ったことを思いだした。
そもそもみのりは碧と対立したくて尋ねているわけではない。
涼介はみのりへ正直に告げることにした。
「大丈夫だよ、みのりさん。いざというときは必ず俺が守るから」
本音を乗せて微笑みかけるとみのりの頬が朱に染まった。
「え! あ、いや、うん。あの、えっと、ありがとう」
かわいい。とてつもなくかわいい。
手を伸ばしかけ、今は我慢と手を引っ込める。
「うん」
一瞬小指付近を誰かにはたかれたような気もするが、
そんなことは少しも問題ではなかった。
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