Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
I
「なるほど」
碧が1人納得したように頷いた。何が『なるほど』なのだろうか。
よくはわからないが、深く突っ込むと藪蛇になりそうな気がする。
みのりは、彼らの気を逸らすため話を変えることにした。
「そ、そういえば、みんなに今日のことを連絡してもらったけど
梅田のみさんとも連絡取れたの?」
山波との電話の際に急遽決めたため、梅田のみと雪姫のことを
すっかり忘れていたのだ。杯をするためには必要不可欠な人物たち
だというのに。みのりは自身のうっかりさに嫌気がさした。
(でも碧のことだから大丈夫よね)
期待を込めてミラーに映る側近の顔を見る。
「ええ。涼介君とお嬢様が外へ行かれた時に思い出しましてね。
ご連絡いたしました」
いつもの飄々とした笑みを貼りつけ語られた報告に、みのりは
顔を熱くした。その横で涼介が過剰な反応する。
「そ、そそそうですか! さすが碧さんですね!
ありがとうございます!」
「そ、そうよね。そ、それで返事は?」
自然に会話を続けなければ、碧にバレてしまう。
みのりは視線をあちらこちらへ飛ばしながら話の続きを促した。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|