Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





I




「なるほど」


 碧が1人納得したように頷いた。何が『なるほど』なのだろうか。

よくはわからないが、深く突っ込むと藪蛇になりそうな気がする。

みのりは、彼らの気を逸らすため話を変えることにした。


「そ、そういえば、みんなに今日のことを連絡してもらったけど

梅田のみさんとも連絡取れたの?」


 山波との電話の際に急遽決めたため、梅田のみと雪姫のことを

すっかり忘れていたのだ。杯をするためには必要不可欠な人物たち

だというのに。みのりは自身のうっかりさに嫌気がさした。


(でも碧のことだから大丈夫よね)


 期待を込めてミラーに映る側近の顔を見る。


「ええ。涼介君とお嬢様が外へ行かれた時に思い出しましてね。

ご連絡いたしました」


 いつもの飄々とした笑みを貼りつけ語られた報告に、みのりは

顔を熱くした。その横で涼介が過剰な反応する。


「そ、そそそうですか! さすが碧さんですね!

ありがとうございます!」

「そ、そうよね。そ、それで返事は?」


 自然に会話を続けなければ、碧にバレてしまう。

みのりは視線をあちらこちらへ飛ばしながら話の続きを促した。










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