Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IA




「ま、窓開けようか?」


 涼介のからの提案に、みのりは我に返る。


「そ、そうね。そうしてもらおうかしら」


 少しだけ開けられた窓から、涼しい風が吹き込んできた。

みのりは新鮮な空気を吸い、吐き出す。


(うん。すべてが終わったら紅に涼介のことを打ち明ける!)


 拳をにぎり、決意した。すると車がゆっくりと減速する。


「お嬢様、つきましたよ」

「え? もう?」


 碧の言葉に、窓を覗き込む。見覚えのある橋を目にし、瞠目した。

車が止まると同時に、涼介が呟く。


「そんなに飛ばしてないと思ったのに」

「妨害が何もありませんでしたからね」


 碧の説明を耳にしながら、みのりは車から降りた。

敵の襲撃がなければ、これほど短時間で来ることができる距離なのか。

みのりが感慨深く周囲を見渡していると、おもむろに紅が声をあげる。


「あ、鹿さん」


 紅が指差す先には、すでに梅田のみと雪姫を除いた他の面々が

集まっていた。たった数日前に知り合ったばかりだというのに

彼らの顔を見ただけで、ホッとし肩の力が抜けた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む