Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
IA
「ま、窓開けようか?」
涼介のからの提案に、みのりは我に返る。
「そ、そうね。そうしてもらおうかしら」
少しだけ開けられた窓から、涼しい風が吹き込んできた。
みのりは新鮮な空気を吸い、吐き出す。
(うん。すべてが終わったら紅に涼介のことを打ち明ける!)
拳をにぎり、決意した。すると車がゆっくりと減速する。
「お嬢様、つきましたよ」
「え? もう?」
碧の言葉に、窓を覗き込む。見覚えのある橋を目にし、瞠目した。
車が止まると同時に、涼介が呟く。
「そんなに飛ばしてないと思ったのに」
「妨害が何もありませんでしたからね」
碧の説明を耳にしながら、みのりは車から降りた。
敵の襲撃がなければ、これほど短時間で来ることができる距離なのか。
みのりが感慨深く周囲を見渡していると、おもむろに紅が声をあげる。
「あ、鹿さん」
紅が指差す先には、すでに梅田のみと雪姫を除いた他の面々が
集まっていた。たった数日前に知り合ったばかりだというのに
彼らの顔を見ただけで、ホッとし肩の力が抜けた。
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