Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





IF




「いやあ、実に楽しそうですな。皆さん」

「俺たちも混ぜて欲しいなあ」


 和やかな空気を壊すかのように、市長が高松を引き連れ

割り込んできた。愛想笑い浮かべ空々しいことを言う高松に、

紅が顔をしかめる。


「お邪魔虫」


 まったくその通りだ。みのりも紅同様、招かざる客を、眉間に

皺を寄せて迎えた。


「高松室長! それに、市長も?」


 小越は上司と部下という間柄だというのに、高松たちが

来ることを知らなかったらしい。彼らの登場に、彼女の元から

大きな瞳がさらに大きくなった。


(高松さんって先生をあてにしていないのかしら?)


 みのりが内心で首をかしげていると、碧が壁になるように

前へ出る。


「君たちが来るまでは楽しいひと時でしたよ」

「そう言わずに混ぜてくれよ、碧。ところで梅田のみさんは

どちらの方かな。紹介してくれないか」


 やはり市長には碧の毒は効かないようだ。みのりは、平然と

受け流しながらも、さらに要求を繰り出す市長に感心した。


「なぜ僕が紹介しないといけないのですか、お断りですよ」


 碧も手応えのない相手に対応を変えることにしたらしい。

底冷えするかのような冷たい笑みを市長へ向けていた。










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