Gold Plum





第六章


対峙


~みのり&涼介の場合~





ⅱⅹⅲ




「お、そなた一皮むけたようマロ?」


 雪姫のつぶらな碧い瞳で見つめられ、涼介はうろたえる。


「な、なぜそれを!」


 どうやら雪姫はすべてを見透かしているようだ。

何か余計なことを言われてしまわれては敵わない。

だがどうやって誤魔化せばいいのだろう。

焦って言葉に詰まっていると、雪姫がしたり顔で首を上下させた。


「男はこうマロ。うんうん」


 瞬間、身体が硬直した。

急激に体温が上昇するのがわかる。

平静でいなくてはならないのに。

全身から蒸気があがるほど全身が熱くなる。

どうにか表情だけでも、と無理やり口角をあげてみせると、

太一が見あげてきた。


「一皮? お兄ちゃん日焼けなんかしてたっけ?」


 遠慮のない視線でじろじろと検分され、涼介は呻く。


「いや、その場合の皮はそうじゃなくて……」


 手を左右に振って答えていると、山波がお、と口を挟んできた。


「ってことはなんですかい? 坊ちゃんがついにみのり様へ?」


 山波の言葉へ真っ先に反応したのは、やはり野木崎だった。










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