Gold Plum
第六章
対峙
~みのり&涼介の場合~
五
ⅱⅹⅲ
「お、そなた一皮むけたようマロ?」
雪姫のつぶらな碧い瞳で見つめられ、涼介はうろたえる。
「な、なぜそれを!」
どうやら雪姫はすべてを見透かしているようだ。
何か余計なことを言われてしまわれては敵わない。
だがどうやって誤魔化せばいいのだろう。
焦って言葉に詰まっていると、雪姫がしたり顔で首を上下させた。
「男はこうマロ。うんうん」
瞬間、身体が硬直した。
急激に体温が上昇するのがわかる。
平静でいなくてはならないのに。
全身から蒸気があがるほど全身が熱くなる。
どうにか表情だけでも、と無理やり口角をあげてみせると、
太一が見あげてきた。
「一皮? お兄ちゃん日焼けなんかしてたっけ?」
遠慮のない視線でじろじろと検分され、涼介は呻く。
「いや、その場合の皮はそうじゃなくて……」
手を左右に振って答えていると、山波がお、と口を挟んできた。
「ってことはなんですかい? 坊ちゃんがついにみのり様へ?」
山波の言葉へ真っ先に反応したのは、やはり野木崎だった。
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