Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
AID
だが、安堵したのもつかの間、騒ぎはまだまだ続いていく。
「そうなのか! お前が?! ほー!」
雅秋まで騒ぎだし、めでたいと口々に連呼される。
これ以上茶々を入れられては敵わない。
場を収めようと口を開きかけた時、
声をあげたのは都の職員だという高松だった。
「そんなことよりのみさん、ちょっと話をきいてもらえませんか!」
しかしながら、騒ぎは一行に収まる気配はない。
律子からは相変わらず背中を叩かれ続けている。
心なしかその痛みに鋭い痛みが混じっている気もして後ろを確認すると、
紅が拳を入れてきていた。
どすどすと硬い拳が背中を打つ。
「な、なんで紅さんまで?!
それって祝ってくれてる感じじゃないよね? ね?」
紅へ問いかけるが無言である。
「照れなくたっていいじゃないー。若いっていいわねー」
肘をついてくる律子の言葉へなんと返してよいかわからず手を頭へやった。
「い、いやあ……」
背中の痛みよりもむず痒さがこみ上げてくる。
まだ返事ももらっていないのに照れてしまう自分に内心で呆れていると、
のみが高松へ一礼した。
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