Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「ふむ。主らの目にはそう映るマロかー」

「どういう意味ですか?」


 雪姫の言葉に野木崎が首をひねった。小越も彼女と同じ意見なの

だろう。同じような顔で太一の肩に乗る雪姫を見つめている。


「咲く花もあれば散る花もあるってことマロ」

「わ、わたしは!

確かに口べたなところがありますけども。

そんな大層なことは考えてません!」


 雪姫が言い切る声と、小越と野木崎の間に割り込んだ高松の声が

重なった。そして八つ当たりするかのように、太一の隣に立つ

梅田のみを責めて立てる。


「というか、のみさん!

いいかげん冗談はやめて話し合いをしてくれませんか!」


 梅田のみは、雪姫を守ろうと高松のあとを追いかけていたのだ。

みのりも彼らの会話を聞き逃すまいと、近くへ移動する。


「ですから先ほどから言っております通り、私は雪姫様の世話人です。

決定権はすべて雪姫様にあります。

どうしてもとおっしゃるのなら雪姫様から了承を得てくださいませ」


 梅田のみが、太一の肩へ視線を向け微笑む。

高松の背後で静かに控えていた市長が口を開く。


「で、ですが、いない方に向かって何をどうお願いしたら

いいのか……」


 眉を下げ、語りかける市長の顔は、困ったときの涼介の顔に

よく似ていた。










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