Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





BID




「やはり見えぬマロか」


 顎で手をあてる仕草が愛らしい。まるで小さなみのりのようだ。

などと頭の隅で考えていると、野木崎が横にいる麻里を促した。


「教えてあげなさいよ麻里さん。一応上司でしょう」


 言われた麻里は目をしばたたき、困惑げに野木崎を見遣る。

そのまま頷く野木崎に押される形で、小首をかしげながら

高松の横へ立った。


「は、はあ。じゃ、じゃあ……。あの、高松室長。

ちゃんと籠の中を見ないと雪姫様には室長が見えませんよ」


 ためらいがちに告げられた言葉に、高松が珍しく素直に頷く。


「そうなのか。わかった」


 麻里に応え、高松が籠の真ん中を覗き込む。

なんだか珍しいもの見たような気分だ。


(野木崎さんが小越さんに人心掌握術かなんかを教えたのかな?)


 気になって野木崎の様子を窺うと、

野木崎も予想外だったのか頬に手をあて驚いた様子を見せていた。










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