Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
CI
「ちょっ、涼介、なんで太一君の言葉を肯定しちゃうのよ」
みのりに袖を引っ張られ、涼介は後ろ頭に手を置く。
「いや、だって兄貴たちを説得するのは無理そうだしさ。
それならもうほっといて進むってのも手かなって」
「そんな……」
実際問題、長兄たちが引き下がることはもうなさそうな気がする。
それに、当の雪姫たちがあまり気にしていない様子だった。
「お嬢さま」
紅がみのりを呼ぶ。
ぐいっと間に割り込まれ、むっとするより先に足を踏まれた。
「イテッ!」
あまりの痛みに叫ぶが、紅は振り返るそぶりも見せない。
(絶対わざとだ)
何故こうまで自分に対して攻撃的なのだろう。
(俺、そんな悪いことしたっけ?)
碧とみのりとの仲を取り持つためなのかもしれないが、
それは誤解もいいところだ。
(碧さんが好きなのは君なんだぞ)
教えてやりたいが、
碧自身がそれを望まないかぎり言うわけにはいかないだろう。
(そういうのって自分で言いたいだろうしな)
一人首を上下させていると、雪姫が声をあげた。
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