Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
CI@
「よしマロ! のみ!」
「はい、雪姫様こちらに」
雪姫に呼ばれたのみが太一から籠ごと雪姫を受け取る。
「出発するマロー!」
号令に合わせて太一が笑顔を向けてきた。
「お兄ちゃん、行こう!」
「あ、ああ。うん。行こうか」
紅の態度が気にかかり一瞬反応が遅れてしまう。
(ごめんよ、太一君)
内心で謝っていると、太一が野木崎たちへ視線を送った。
「おばちゃんたちも早くー。雪姫様たちにおいてかれちゃうよー」
太一の言葉に山波が手をあげる。
「おう。じゃあ行くか」
異を唱えたのは小越だ。
「え? いいんですか?」
戸惑ったように野木崎を見遣る。
「もしかしてまたあの山登りをしなきゃいけないの?」
野木崎は小越の言葉を遮りうんざりした声をあげる。
「そういうこった」
意味もなく胸を張る山波を見て、昨日とは大違いだ、
と涼介は苦笑した。
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