Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





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「よしマロ! のみ!」

「はい、雪姫様こちらに」


 雪姫に呼ばれたのみが太一から籠ごと雪姫を受け取る。


「出発するマロー!」


 号令に合わせて太一が笑顔を向けてきた。


「お兄ちゃん、行こう!」

「あ、ああ。うん。行こうか」


 紅の態度が気にかかり一瞬反応が遅れてしまう。


(ごめんよ、太一君)


 内心で謝っていると、太一が野木崎たちへ視線を送った。


「おばちゃんたちも早くー。雪姫様たちにおいてかれちゃうよー」


 太一の言葉に山波が手をあげる。


「おう。じゃあ行くか」


 異を唱えたのは小越だ。


「え? いいんですか?」


 戸惑ったように野木崎を見遣る。


「もしかしてまたあの山登りをしなきゃいけないの?」


 野木崎は小越の言葉を遮りうんざりした声をあげる。


「そういうこった」


 意味もなく胸を張る山波を見て、昨日とは大違いだ、

と涼介は苦笑した。










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