Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIC




「み、みのり様! そ、そんな! もったいないお言葉です」

(やだ、私ったらまた涼介のこと考えていたわ)


 みのりは、山波の感極まるような声音で、我に返った。

早くいつも通りにならなくては。

山波へ笑みを向け誤魔化していると、太一が駆け寄ってくる。


「みのり様ー! おじちゃんはもう大丈夫だよ。

なんて言ったってリオのお祖父ちゃんとも約束したんだからね」


 太一の言葉に、いつの間にか近くにきていた涼介が反応する。


「そうなのかい? すごいな。そうかぁ……、じゃあ、きっと

太一君のお祖母さんの悲しみも少しは和らぐかもしれないね」

(涼介、嬉しそう)


 自分のことのように喜ぶ涼介の優しい眼差しに、みのりは胸を

ときめかせた。


「うん。あのね、じぃちゃんとリオのお祖父ちゃんってね、

友達だったんだよ」

「え! そうだったのか! それはすごいな!」


 涼介が感嘆のため息をつく。すごい偶然があるものだ。

みのりも内心で同意した。太一の話は進む。


「それにね、おじちゃんはね、満さん? っていう人にも人は

変われるって言ったんだよー」

「み、満さん?!」


 小越が頓狂な声をあげ、大きく見開いた瞳をこちらへ向けた。










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