Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIE




「さあ、俺にはさっぱりだけど……」


 涼介が困惑気味に太一と山波を眺める。今回のことは彼に

伝わっていなかったらしい。珍しいこともあるものだ。

みのりは、少しだけ寂しそうにも見える涼介を慰めようと手を

伸ばす。しかし、彼の袖に触れる前に、野木崎が我が物顔で

割って入ってきた。


「それはきっと……」

「そ、そんなこと今はいいじゃないですか!」


 小越が、野木崎の声を被せるように遮ってきた。

慌てた様子の教師にみのりは首をひねる。

野木崎に向き合っていた小越の体がこちらを向いた。


「本題に入りましょう! 本題に!」

「え、あ、そうですね」


 小越の言い分はもっともだ。みのりは頷き、先ほどから

ずっと静観していた梅田のみへ顔を向ける。


「梅田のみさんお願いします」

「はい。では、みなさん、こちらをお受取りください」


 自分たちが会話している間に、社から取り出しておいて

くれたのだろう。梅田のみの手には、6つに重なった朱色の盃と

調子があった。

みのりは一番上にある盃を手に取る。そのあとをそれぞれが続いた。










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