Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIF




「ありがとうござます」


 涼介は盃を配ってくれるのみに礼を言う。

すると、後方で高松の声がした。


「あれは何をしてるんだろう?」

「さあな」


 高松の問いに、雅秋が気のない返事をする。

若干呆れ声な気もするが、本当のところどうなのかはわからない。

一瞬振り返って確かめてみたい欲求に駆られたが、

ここが勝負のしどころだ、と堪えた。

そんな内心をよそに、芽衣子が兄たちへ説明する。


「これから6人でお願い事をするんですよ」

「緊張するね」


 芽衣子の言葉を受ける飛田の優しげな声音に、涼介は小さく吐息した。

ほんの少しだが、未来のことを想像してしまった。

自分はみのりとこんなふうな会話ができるようになるのだろうか。


(難しい気がする……)


 頬を掻いていると、碧のつっけんどんな声がした。


「外野の方々はお静かにしていただけませんかね?

特に、勝手についきた方々のことですが」


 険の立った声に飛田と芽衣子がすぐさま反応する。


『すみません』


 異口同音で詫びる2人と対照的だったのは高松だった。










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