Gold Plum
第六章
対峙
〜みのり&涼介の場合〜
五
CIG
「俺たちにはくれないのかな?」
「邪魔者、黙る」
碧にあそこまで嫌味を言われてなお飄々と言い放つ高松に、
紅が一喝する。
「可愛い顔して、怖い子だね」
悪びれた様子もなく応じる高松に、碧が口を開いた。
「紅が可愛いのはわかっていることですから言わなくても結構です」
尖りきった声に本気の怒気を感じたのだろう。
高松の声音に焦りが滲んだ。
「おっと。それは失礼したね」
慌てて詫びる高松へ答える者はなく、代わりに雪姫の高い声がした。
「よし、皆に渡ったな! わらわの出番マロ!」
「雪姫様。よろしくお願いいたします」
「うむ。苦しゅうないマロ」
のみの声へ雪姫が鷹揚に頷くのを見て、涼介は気を引き締め直した。
「いよいよだな」
そっとみのりの側に寄り話しかけると、みのりの緊張した声が返ってくる。
「ええ。今度こそ、みんなの願いを1つに合わせましょう」
見あげてくる決意の籠った瞳を、涼介は正面から受け止めた。
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