Gold Plum





第六章


対峙


〜みのり&涼介の場合〜





CIG




「俺たちにはくれないのかな?」

「邪魔者、黙る」


 碧にあそこまで嫌味を言われてなお飄々と言い放つ高松に、

紅が一喝する。


「可愛い顔して、怖い子だね」


 悪びれた様子もなく応じる高松に、碧が口を開いた。


「紅が可愛いのはわかっていることですから言わなくても結構です」


 尖りきった声に本気の怒気を感じたのだろう。

高松の声音に焦りが滲んだ。


「おっと。それは失礼したね」


 慌てて詫びる高松へ答える者はなく、代わりに雪姫の高い声がした。


「よし、皆に渡ったな! わらわの出番マロ!」

「雪姫様。よろしくお願いいたします」

「うむ。苦しゅうないマロ」


 のみの声へ雪姫が鷹揚に頷くのを見て、涼介は気を引き締め直した。


「いよいよだな」


 そっとみのりの側に寄り話しかけると、みのりの緊張した声が返ってくる。


「ええ。今度こそ、みんなの願いを1つに合わせましょう」


 見あげてくる決意の籠った瞳を、涼介は正面から受け止めた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む